今日という日を生きるそれが人生を素敵にするー。

INFORMATION
    監督・脚本:
    リチャード・カーティス「ラブ・アクチュアリー」
    出演:
    ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ
    トム・ホランダー、マーゴット・ロビー、リンゼイ・ダンカン
    原題:
    ABOUT TIME / イギリス映画 / 2013年 / 124分 / カラー / シネスコ / ドルビーSRD
    ユニバーサル映画 配給:
    シンカ / パルコ

    © Universal Pictures

    INTRODUCTION

    『ブリジット・ジョーンズの日記』『ノッティングヒルの恋人』『ラブ・アクチュアリー』の名匠リチャード・カーティス、最後の監督作品。恋人、友人、そして家族・・・かけがえのない人たちへの愛を解く人生讃歌。

    『Mr.ビーン』『ブリジッド・ジョーンズの日記』などで敏腕脚本家として名をあげ、世界的に大ヒットを記録した『ラブ・アクチュリー』など日常の小さな出来事をユーモアあふれる視点で切り取り、コミカルでハートウォーミングな作品に昇華してしまう偉才リチャード・カーティス。

    世界的に大ヒットを記録した『ラブ・アクチュリー』(03)で長編監督デビューをはたしたカーティスにとって3作目であり、同時に最後の監督作となるのが本作。「残り24時間しか生きられないと告げられたら何をする?」。友人と交わしたこの何気ない会話をきっかけに誕生した本作は、「時間を巻き戻せたら違う道を選んでいた」という、生きていれば誰しもの頭を幾度かはよぎるこんな思いをベースに、恋人、友人、そして家族というかけがえのない人たちへの愛を解く人生讃歌。

    なにげない平凡な一日が大切な一日に変わり、当たり前のように身近にいた人たちに感謝をしてまた大好きになる……。そんな世代を超えた普遍的なメッセージは、世界中で感動の嵐を巻き起こし、本国イギリスでは初登場一位を記録。すでに世界58カ国で公開され、満を持してこの秋、日本公開となる。

    映画界期待のドーナル・グリーソン×レイチェル・マクアダムス、そしてベテランのビル・ナイほか実力派俳優たちが、映画に華を添え、極上のミュージックが一層の輝きを与える。

    主人公のティムを演じるのは、『スター・ウォーズ:エピソード7』に主要キャストの一員として出演が決定したアイルランド出身のドーナル・グリーソン。ティムの恋人で後に妻となるメアリー役には、『きみに読む物語』(04)、『幸せのポートレート』(05)などで知られるレイチェル・マクアダムス。キュートで親しみやすい笑顔の持ち主でありながら、実直な演技を見せるレイチェルほどメアリーにぴったりの女優はいないだろう。また映画のカギを握るティムの父親役にはカーティス作品の常連のビル・ナイが挑み、物語にリアリティと笑いを与えて感動を誘う。さらに『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(14)で美しすぎる美貌を披露したマーゴット・ロビーがティムの初恋の相手を小悪魔的魅力たっぷりに演じている。

    また極上の音楽にも注目を。ベン・フォールズやザ・キュアー、エイミー・ワインハウス、ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ、ロン・セクスミスといった大御所から、ザ・キラーズやイギリス注目のエレクトロ・ポップシンガー、エリー・ゴールディングまで、ときにポップに、ときにセンチメンタルに映画により一層の深味と豊かな表情をを与える音楽にも耳を傾けてほしい。

    STORY

    人生の宝物は生きてきた日々そのもの!なにげない一日が、かけがえのない時間だったと気づくー。

    イギリス南西部コーンウォールに住む青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人家族。
    どんな天気でも、海辺でピクニックを、週末は野外映画上映を楽しむ。風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。
    そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされる。そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。

    弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。
    ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!

    なんとか彼女の愛を勝ち取り、その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだと。そして、迫られる人生最大の選択——。

    CAST PROFILE

    ドーナル・グリーソン
    (ティム)
    1983年、アイルランド生まれ。父親は名優ブレンダン・グリーソン。『ハリー・ポッター』シリーズで注目を集め、2011年のベルリン国際映画祭ではシューティング・スターに選出される。ジョー・ライト監督『アンナ・カレーニナ』などに出演。2015年公開予定の『スター・ウォーズ:エピソード7』に主要キャストの一員として出演が決定して話題に。若手演技派の筆頭として大きな注目を集めている。
    レイチェル・マクアダムス
    (メアリー)
    1978年、カナダ生まれ。ティーン映画の金字塔『ミーン・ガールズ』(04)に出演して注目を集める。同年『きみに読む物語』の大ヒットで世界的に大ブレイクをはたす。『幸せのポートレート』、『シャーロック・ホームズ』『ミッドナイト・イン・パリ』、『トウ・ザ・ワンダー』、『パッション』などに出演し、変幻自在の演技力で巨匠たちにも愛される。今後はヴィム・ベンダース監督『Every Thing Will Be Fine(原題)』や、キャメロン・クロウ監督作が控えている。
    ビル・ナイ
    (ティムの父親)
    1949年、イギリス生まれ。舞台俳優としてキャリアをスタートさせたのち、テレビ、映画と活躍の場を広げる。大ヒットを記録したリチャード・カーティス監督の『ラブ・アクチュアリー』で英国アカデミー賞、ロンドン映画批評家協会賞、イブニング・スタンダード英国映画賞で助演男優賞を受賞。『パイレーツ・オブ・カリビアン』(06、07)シリーズでは船長デイヴィ・ジョーンズ役で出演するなどイギリスきっての演技派俳優。
    トム・ホランダー
    (ハリー)
    1967年、イギリス生まれ。舞台俳優として活動を始め、96年に長編映画デビュー。ロバート・アルトマン監督の『ゴスフォード・パーク』などに出演。ジョー・ライト監督の『プライドと偏見』でロンドン映画批評家協会賞助演男優賞とイブニング・スタンダード英国映画賞ピーター・セラーズ賞を受賞。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『路上のソリスト』などに出演。
    マーゴット・ロビー
    (シャーロット)
    1990年、オーストラリア生まれ。17歳で女優業をスタートし、11年にテレビドラマシリーズ『PAN AM/パンナム』でアメリカデビューをはたして一躍人気に。マーティン・スコセッシ監督の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』でレオナルド・ディカプリオの相手役をつとめて大ブレイク。今後の公開作に『Suite française(原題)』、『Z for Zachariah(原題)』、『Focus(原題)』など多数控える。
    リンゼイ・ダンカン
    (ティムの母親)
    1950年、イギリス生まれ。2002年に舞台「私生活」でトニー賞最優秀女優賞を受賞。近年は、『トスカーナの休日』、『アリス・イン・ワンダーランド』、人気テレビドラマ「SHERLOCK」(14)にもゲスト出演。『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督最新作『ウィークエンドはパリで』(13)の公開を控えている。

    STAFF PROFILE

    リチャード・カーティス

    [ 脚本/監督/製作総指揮 ]

    1956年、ニュージーランドで生まれ。フィリピン、スウェーデン、イギリスで幼少期を過ごし、現在はロンドンを拠点として35年間住んでいる。1978年にオックスフォード大学を卒業。在学中から同窓だったローワン・アトキンソンとともにコメディを執筆し、82年にBBC製作の『Not the Nine O’Clock News(原題)』でメジャーデビューをはたす。その後アトキンソンとともに『Mr.ビーン』の制作を開始して大ヒット。一躍その名を知られることに。1993年には、クリスマスのファンタジー作品でレニー・ヘンリーとアラン・カミング出演のテレビ映画『Bernard and the Genie(原題)』を執筆して同年12月にイギリス脚本家組合賞のコメディ部門を受賞。94年に脚本を担当した映画『フォー・ウェディング』がフランスのセザール賞、オーストラリアの映画協会賞、 英国アカデミー賞で作品賞を受賞し、アカデミー賞の作品賞と脚本賞にノミネートされる。99年に執筆した『ノッティングヒルの恋人』はイギリス映画の過去最大ヒットを記録。01年の『ブリジット・ジョーンズの日記』を手がけた二年後、『ラブ・アクチュアリー』(03)を発表。脚本を執筆すると同時に監督デビューをはたす。08年には監督2作目となる『パイレーツ・ロック』(09)を、11年にはスティーヴン・スピルバーグ監督の『戦火の馬』で脚本を共同執筆。現在は映画やテレビの新作脚本を執筆中だが、本作が監督引退作となっている。

    ティム・ビーヴァン & エリック・フェルナー

    [ 製作 ]

    1992年より、世界屈指の映画製作会社ワーキング・タイトル・フィルムズの共同代表を務める。ワーキング・タイトル・フィルムズは1983年に設立され、100作品を超える映画を世に送り出し、全世界で50億ドル以上もの興行成績を誇る。トム・フーパー監督の『レ・ミゼラブル』(12)、ジョー・ライト監督の『つぐない』(07)、『アンナ・カレーニナ』(12)、ティム・ロビンス監督の『デッドマン・ウォーキング』(95)、コーエン兄弟の『ファーゴ』(96)、シェカール・カプール監督の『エリザベス』(98)、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)で10度アカデミー賞を受賞。35度の英国アカデミー賞のほか、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭などで数々の賞を受賞している。ビーヴァンとフェルナーは、全米製作者組合(PGA)の最大の栄誉であるデヴィッド・O・セルズニック劇場映画功労賞を受賞。加えて、映画製作者に与えられるイギリス最高の映画賞、英国アカデミー賞のマイケル・バルコン賞と、イブニング・スタンダード英国映画賞のアレクサンダー・ウォーカー特別賞を授与され、映画界への顕著な貢献を讃えられた。近作には『ラッシュ/プライドと友情』(13)や、エドガー・ライトが監督の『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(13)などがある。

    ニッキー・ケンティッシュ

    [ 製作 ]

    1985年、マーチャント・アイヴォリー・プロダクションを製作。同年ジェームズ・アイヴォリー監督の『眺めのいい部屋』でキャリアをスタートする。ラインプロデューサーなどを経験した後、製作を担当するように。主な製作担当作には『永遠の夢/ネス湖伝説』(96)、『ハイヒール・エンジェル』(01)、『アバウト・ア・ボーイ』(02)、『トラウマ』(04)など。共同製作作品には『理想の結婚』(99)、『ギャングスター・ナンバー1』(00)などがある。また、ウディ・アレン監督作品には『マッチポイント』(05)、『タロットカード殺人事件』(06)、『ウディ・アレンの 夢と犯罪』(07)、『恋のロンドン狂騒曲』(10)と、4度にわたり製作に携わる。最近ではユアン・マクレガーとエミリー・ブラントが出演した『砂漠でサーモン・フィッシング』(11)を共同製作している。

    ライザ・チェイシン

    [ 製作総指揮 ]

    ニューヨーク大学芸術学部を卒業後、1991年に開発部長としてワーキング・タイトル・フィルムズに加入。1996年より、アメリカのワーキング・タイトル・フィルムズで代表を務める。最近では『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(13)、『Closed Circuit(原題)』(13)で製作総指揮を務めている。その他の製作指揮を担当した作品にはジョー・ライト監督のアカデミー賞受賞作品『つぐない』(07)、『裏切りのサーカス』(11)、『宇宙人ポール』(11)、『レ・ミゼラブル』(12)、『アンナ・カレーニナ』(12)など。リチャード・カーティス監督の『ラブ・アクチュアリー』(03)では共同製作を担当。

    アメリア・グレンジャー

    [ 製作総指揮 ]

    ワーキング・タイトル・フィルムズの代表取締役副社長。イギリスでの映画製作と開発を行っている。自社製作映画『裏切りのサーカス』(11)、『レ・ミゼラブル』(12)、『アンナ・カレーニナ』(12)などに携わり、最近ではエリック・バナ、レベッカ・ホール主演の『Closed Circuit(原題)』(13)、『I Give It a Year(原題)』(13)、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』(13)で製作総指揮を務めている。

    ニック・レアード=クロウズ

    [ 音楽 ]

    映画やドキュメンタリー作品で音楽を手がける。代表作は音楽コンサルタントを務めたベルナルド・ベルトルッチ監督の『ドリーマーズ』(03)、キャメロン・ディアス主演の『姉のいた夏、いない夏』(01)など。イギリスの音楽バンド、ドリーム・アカデミーでリードボーカルを務め、その楽曲の多くを手がけている。「Life in a Northern Town(原題)」や「The Love Parade(原題)」などの曲で、80年代半ばに世界的成功を収める。バンドの曲はジョン・ヒューズ監督の『フェリスはある朝突然に』(86)や『Planes, Trains and Automobiles(原題)』(87)で使われている。また、ダイアン・キートンの監督デビュー作『ダイアン・キートンのウェルカム・トゥ・ヘヴン』(87)にも楽曲を提供している。

    ヴェリティ・ホークス

    [ 衣装 ]

    ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アートで舞台デザインを学び、映画やテレビの衣装デザイナーを志す。ダニー・キャノンやポール・アンダーソンなどの映画監督の下でアシスタントを務め、その後、ジャック・ローゼンタールなどの脚本家や、サイモン・ウェスト、チャールズ・マクドゥガルなどの監督のテレビ作品で衣装を手がけるようになる。ガイ・リッチー監督の『スナッチ』(90)と『リボルバー』(05)で衣装デザインを担当。最近では、イアン・ソフトリー監督の『インクハート/魔法の声』(08)に続き『Trap for Cinderella(原題)』(13)でも衣装デザインを手がけている。

    マーク・デイ

    [ 編集 ]

    テレビや映画の編集を担当。98年にはポール・グリーングラス監督の『ヴァージン・フライト』を、05年にはビル・ナイ主演のリチャード・カーティス脚本作『ある日、ダウニング街で』(05)でエミー賞ミニシリーズ・映画部門のシングルカメラ編集賞にノミネートされる。その他の代表作には『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」』(07)、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(09)、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(10)、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』(11)、『ランナウェイ/逃亡者』(12)など。

    ジョン・ポール・ケリー

    [ 美術監督 ]

    アイルランドで生まれ、ロンドンのキングストン大学で建築の学位を取得。その後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)で映画・テレビデザイン科で修士号を取得する。
    1993年にRCAを卒業後、イギリスで活躍し、英国アカデミー賞とプライムライムエミー賞を受賞する。映画初作品となった『アンダー・ザ・スキン』(97)は、1997年、エディンバラ国際映画祭で最優秀英国映画賞、トロント国際映画祭で国際批評家賞を受賞。代表作にはポール・グリーングラス監督の『ブラディ・サンデー』(02)、『ブーリン家の姉妹』(08)、フェルナンド・メイレレス監督の『360』(11)など。

    ジョン・ガレセリアン

    [ 撮影監督 ]

    ロサンゼルスのアメリカン・フィルム・インスティチュート及び、コロンビア・カレッジ・シカゴで撮影を学ぶ。2011年サンダンス映画祭で審査員大賞を受賞したドレイク・ドレマス監督の『今日、キミに会えたら』で撮影を担当。近作には2012年サンダンス映画祭でプレミア上映された同監督作品『Breathe In(原題)』、ロザリオ・ドーソン、ジョシュ・ハートネット出演の『Parts Per Billion(原題)』(14)、アン・ハサウェイ主演の『Song One(原題)』(14)などがある。

    SCENE

    英国在住のライターAkiko Sakumaが、「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」の舞台となる
    イギリス、ロンドンの舞台背景を、現地の写真を交えてレポートします。

    • クラシックとモダンが織りなすエレガンス、
      永遠の憧れの国、イギリス。

      『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』、舞台となるのは「伝統と革新の国」イギリス。街中にひしめく情緒ある年代物の建造物や香り高い紅茶で楽しむアフターヌーンティー…格式を重んじ、古き良きものをこよなく愛す。そんな保守的な面を持ち合わせている一方で、先陣を切って常に新しいカルチャーを発信し、音楽や、芸術などのクリエイティブな分野の発展においても忘れてはならない存在。

      様々な文化の入り交じるコスモポリタンシティロンドンから、静かな温もりの溢れる田舎町まで、今や全世界を牽引したかつての大英帝国ではないけれど、革新的且つ創造的な要素と不滅の伝統とを融合させるイギリスは人々を魅了し、憧れの中心で居続ける。そんな格式重視のイギリス人は感情的になるのを好まず、一見クール。しかしいったん信頼関係を築くと、フレンドリーで誠意を持って接してくれる。そして忘れてはならない彼らの魅力はなんといってもイギリス特有のユーモアセンスだ。知れば知るほど、チャーミング!なイギリスとイギリスの人々。

      Text by Akiko Sakuma
    • 青く輝く海の景色が、
      潮風にのって吹き込んでくるコーンウォール地方。

      ティムの一家が暮らすのはイングランド最西部のランズ・エンドとして名高いコーンウォール地方。コーンウォールは、イギリス内で最も長い海岸線を持つことで知られる。その全長は約700Kmに渡る程。眠っているかのように静かな隠れ家みたいなビーチから、荒々しい波が押し寄せる険しい崖の海辺まで、様々な表情をした海の姿が広い海岸線に潜んでいる。風情あるフットパスをなぞってハイキングコースを歩けば、透き通った水、崖に差す夕日、小高い丘といったカントリーサイドが織りなす風光明媚な景色に出会えるだろう。

      ティムがお父さんと歩く閑静な浜辺、ボールトビーチは無骨な岩肌と荒れ地の草木と白い砂浜が絶妙に融合し、イギリスの浜辺ならではの空気感を醸し出している。ティムとメアリーが結婚式を挙げるポートローという小さな漁村は、両側の切り立った谷に囲まれたひしめくように並ぶ昔ながらの建物達が可愛らしい。この町並みは数百年前からほとんど変わらないという。

      コーンウォールの名物は美しい景観だけではない。新鮮獲れたてシーフード、お肉と野菜が詰まったコーニッシュ・パスティ、コーニッシュ・クロテッド・クリームをたっぷり塗ったスコーンで頂くクリームティー、イギリスきってのグルメ天国でもあるのだ。ティム達も家の真下のビーチで海を眺めながら家族水入らずでクリームティーしていたなぁ...。

      Text by Akiko Sakuma
    • Text by Akiko Sakuma
      佇まいに息をのむ、
      ロンドン西のエントランス、パディントン駅。

      パディントンと聞けば、「くまのパディントン」のキャラクターがまっさきに私たちの頭に浮かぶかも?このキャラクターのネーミングはこの駅こそが物語のスタートの地だということに由来している。彼だけではない、パディントン駅は多くの人々にとって、ロンドン生活の出発地点になる場所。イングランド西部やウェールズ方面に繋がるロンドンの西の玄関口だ。パディントン駅のホームに降り立つとすぐに大英帝国の荘厳さを実感することが出来る。まるでゴシック教会のよう!? 天井はカマボコ屋根のアーチになっており、ズラーっと並ぶ鉄骨の大ヴォールトにゆったりと支えられている。その足下では黄色と青と赤で塗られた鮮やかなカラーリングの列車が待機。レンガ造りの街を駆け抜ける赤いバスと同様、このコントラストこそがロンドンならでは。また、この駅は1863年1月10日、世界初の地下鉄が走った駅としても有名だ。もし、あなたがロンドン生活をスタートするなら、雄大な駅舎、カラフルな列車、そしてくまのパディントン像がふるって出迎えてくれるはず。

      Paddington Station
      Praed St , London W2

    • 「世界一有名な横断歩道」アビー・ロードで、ビートルズに成りきってみる。

      イギリスと言えばビートルズ、ビートルズと言えばアビー・ロードというくらい。ここアビー・ロードの横断歩道は「世界一有名な横断歩道」だ。閑静な高級住宅街セント・ジョンズ・ウッドから程近い、ありきたりな横断歩道だけれども、1969年にビートルズのアルバムジャケットに使用されたことから、広く世界に知られることとなった。そのままの景観を壊すまいと、英政府によって歴史遺産にも指定されているという。いつ訪れても、ビートルズになった気分で横断歩道を横切る自分たちの姿を写真に収めようと奮起するファンがズラリ。比較的交通量が多い道にも関わらず、大きな心で待ってくれるドライバーが目立つ。これもビートルズの偉大さゆえ!?すぐ横にある白い建物はビートルズが1962年から1970年の間、200曲以上の録音を行ったアビー・ロードスタジオ。クラシックからロック、ジャズ、そして映画音楽まで幅広いジャンルで支持され続け、現役の老舗音楽スタジオとして現在も多くのアーティストに親しまれている。

      Abbey Road|3 Abbey Road, St. John's Wood, London NW8 9AY

      Text by Akiko Sakuma
    • Text&Photo by Akiko Sakuma
      老舗劇場オールド・ヴィック・シアター
      で味わう俳優魂!

      テムズ川南岸の川沿いにあるエリア、ウォータールー。様々な文化施設がひしめくこの地域で、約200年前に設立されたロンドンで最も古い劇場のひとつがオールド・ヴィック・シアターだ。音楽や踊りを含まない硬派な演劇、ストレート・プレイを主に公演し続けて来た。また、名優を輩出する劇場としても有名。「セブン」や「アメリカン・ビューティー」などでの快演で知られるハリウッドを代表する演技派スター兼映画監督のケヴィン・スペイシーが現在、芸術監督を務めている。実は先日、彼が舞台出演中、客席で鳴った携帯電話の着信音に対してあっぱれな反応を見せたと話題に。鳴り響き続けるメロディーに対し、熱演していたケヴィンは、役柄に扮したまま、「もし君が電話に出ないなら、私が出るぞ!」と言ってみせた。その見事なアドリブと役者魂に、客席からは拍手が沸き起こったそう。劇場は俳優にとって神聖な空間なのだと身にしみるエピソードを持つオールド・ヴィック、観る側としてその誠意を受け止めに行きたい!もちろん携帯の電源はOffで...。

      The Old Vic Theatre|The Cut, London SE1 8NB
      ホームページ:http://www.oldvictheatre.com/

    • 新たな感覚を開花させる!?
      レストランを超越したエンターテイメントの世界、ダンルノア。

      劇中でもキープレイスとなるミステリアスな暗闇レストラン...大都市ロンドンには実際に存在していた!ダンルノアはろうそくのほのかな光ひとつ見えない完全なる暗闇の中で中身のわからないサプライズメニューを頂く新感覚レストラン。まず、明るいウェイティングルームに招かれ、4ジャンルの中から1つのコースをチョイス、視覚障害者のガイドにいざなわれ、ダークレストランサイドへ辿り着くとめくるめく不思議体験が始まる。一口食べるまでどんなものが入っているのかわからない...なかなか味わうことの出来ない非日常的な食体験に誰もがワクワクしてしまうはず。味、芳香、噛み応え、スパイスのみをヒントに料理を堪能するこのユニークな食事法は「ブラインド・テースティング」という古くから企業で使われてきた方法だ。あえて五感のうち「視覚」という1つの感覚を遮断することによって、人間の持つイマジネーションを高め、本来の素材の美味しさを実感することはもとより、人々のコミュニケーション能力を刺激するという。まっ暗闇の中で食卓を囲む仲間とはいつもと違う面白い言葉の掛け合いが待っていることだろう。これもダンルノアの醍醐味のひとつだ。すべてのメニューにはオーガニックをはじめ、こだわりの新鮮素材を使用。最後には、メニューの種明かしをしてくれるので、自分の味覚と嗅覚がどれだけ鋭いかセルフチェック出来るのも楽しい。

      Dans Le Noir|8 Clerkenwell Close, London EC1R 0QN
      ホームページ:http://london.danslenoir.com/index.ja.html

      Text&Photo by Akiko Sakuma
    • ロンドン屈指のおしゃれ繁華街ソーホー、
      ニューバーグ・ストリートでビールを1杯!

      劇中ではダンルノアの目の前に位置する小路は、実際はレストランから少し離れたロンドンのソーホーエリアにあるニューバーグ・ストリートという道だ。まさにロンドンのエンターテインメントの中心地といえるソーホー、かつては風俗店やシアターが並ぶ歓楽街として栄えていたが、だんだんと高級レストランやバー、ファッションストアが立ち並ぶトレンディスポットへと変貌した。今では、オシャレなショップが集い、ゲイバーやレズビアンバーが連なるにぎやかなゲイエリアとしても名高い。

      ニューバーグ・ストリートのすぐとなりを横切るカーナビー・ストリートは60年代、「スウィンギング・ロンドン」と呼ばれた時代に最先端をいった通り。モッズやヒッピーのファッションの発信地として、新進気鋭のデザイナーたちがブティックを構え、周辺にはアングラなミュージックバーも多く点在した。現在もカーナビー・ストリートは、ロンドンの代表的なショッピングストリートの一つだ。この辺りはパブも多く軒を連ねるエリアというだけあって、夏場の道の脇は人!人!人!仕事帰りのテラス飲みを楽しむ老若男女で溢れかえるのもロンドンの夏の風物詩。ロンドナー達にとって切っても切り離せないパブライフが垣間見える。

      Newburgh Street|Newburgh St, Soho, London, W1F 7RB

      Text&Photo by Akiko Sakuma
    • 大都会の真ん中で頂く地中海の恵み、ゾルバズグリークタベルナ。

      日本ではあまり馴染みのないギリシャ料理もコスモポリタンなロンドンではメジャーなエキゾチック料理のひとつ。実はこのギリシャ料理、ビタミンやミネラルを豊富に含むオリーブオイルをふんだんに使い、野菜や魚介類をたくさん摂取出来るという特性から、心臓病や糖尿病などのリスク減少に繋がる、と近年世界的に注目され始めている。ギリシャ、イタリア、スペイン、モロッコが共同申請をした地中海式ダイエットは、2010年、ユネスコの無形文化遺産に登録されるほど。
      劇中にも登場するゾルバズグリークタベルナは、ロンドン中心部の緑のオアシスであるハイドパークに程近い閑静な住宅街にある小さなギリシャ料理店。レンガ造りの建物に印象的な深いグリーンの看板、垂れ下がった可愛らしい花鉢、ヨーロッパならではの乙女心をくすぐる佇まいだ。メニューにはナス、ジャガイモ、ミートソース、チーズ、ベジャメルソースを重ね焼きしたギリシャ風ラザニアのムサカや日本でもお馴染みのチキンやラム肉のケバブなど。ヨーグルトディップのザヅィキやタラモサラダを付けたピタパンをメインディッシュの前にモグモグさせすぎてお腹いっぱいにならないように!

      Zorba's Greek Taverna|36 Leinster Terrace, Bayswater, London W2 3ET

      Text&Photo by Akiko Sakuma
    • ロンドン市民に愛されるポートベロー・マーケットで楽しむハッピーサタデー。

      メアリーが一人暮らしをしていたフラットがあるのは、リチャード・カーティス監督が脚本を手掛けた「ノッティング・ヒルの恋人」の舞台としても有名なポートベロー・マーケットの近所。
      この蚤の市、常設マーケットとしてはヨーロッパ有数の規模を誇り、全長は1.5Kmに及ぶ。その歴史は古く、1860年頃ビクトリア女王の時代まで遡るほど。ポートベローが一番盛り上がるのは土曜日。アンティークを中心に、衣類や食器、果物、野菜、古書、屋台など、これでもかという程にお店が並び、ストリートパフォーマー達もあちこちに。まるで何かお祭りかと思うくらい活気に溢れた雰囲気が味わえる。世界中からプロが買い付けにやってくるアンティークが注目されがちだけれど、ヴィンテージの洋服も見所満載。ラドブロークグローブ駅から歩いてすぐのエリア、週末開催のポートベロー・グリーン・マーケットでは30、40年代のドレスからミリタリーの掘り出しものまで選りすぐりのヴィンテージが採掘出来る。中には古いボタンやテープ、クロスを扱うストールも。プラプラとマーケットに出かけて、たくさんのものに触れ合って、感性を磨いて...ロンドナーならではの素朴だけど贅沢な休日の過ごし方。

      Portobello Road Market
      Portobello Road, London W10 5TA

      Text&Photo by Akiko Sakuma
    • ブリック・レーンのハンキードリーでヴィンテージハント!

      メアリーのフラットの階下に可愛らしいヴィンテージショップがあったのに 気がついただろうか?ハンキードリーヴィンテージと名付けられたそのお店、実際には東ロンドン、ショーディッチのブリック・レーンにひっそりとただずんでいる。「貧困層」「低所得者」の街というレッテルを払拭し、ここ数年おしゃれ化の進むロンドンのイーストエリア。ブリック・レーンといえば、その筆頭を行く代表的なストリートだ。セレクトショップや新鋭デザイナーブティック、老舗ヴィンテージショップ、カフェが立ち並び、週末には下町らしい活気に溢れた大規模なストリートマーケットが開かれる。
      ハンキードリーのセレクトは40年代から70年代のヨーロッパ古着がメイン。特に力を入れているのは、メンズウェア。クオリティの高い50年代テーラードジャケットやタイトなモッズスーツなどこだわりの一品を求めて某ロックスターも足繁く通うという。店頭で出迎えてくれるお洒落でダンディなオーナー達とアンティークマネキンの少年にも注目だ。こと英国においては、「古いモノ」を「良いモノ」とする風潮が存在する。ものを受け継いでこよなく愛すという精神は現代社会にも深く根付き、この国の暮らしと感性を豊かにしているのだ。

      Hunky Dory Vintage|226 Brick Lane, London E1 6SA
      ホームページ:http://www.hunkydoryvintage.com

      Text&Photo by Akiko Sakuma
    • リバーサイドの文化的ユートピア、サウスバンク・センター

      せっかくの休日、予定がなくて手持ちぶさたでも、ここへ行けば間違いなく充実の一日を過ごせるという場所がある。サウスバンク・センターは劇場、ギャラリー、映画館、そして観覧車まで(!)もが集まったアートコンプレックス。テムズ川沿いに広がるこの空間、芸術複合施設としての規模はヨーロッパ最大級だ。 ロイヤル・フェスティバル・ホールでは、一流のクラシックコンサートをリーズナブルに楽しむことが出来るし、ヘイワード・ギャラリーでは今まで見たことのない奇想天外のインスタレーションに出会える。ロンドン一美味しいと言われるイングリッシュブレッファーストが食べられるレストラン「キャンティーン」もこの中に。カフェの屋台で買ったパンを頬張りながら、スケートパークのキッズたちを横目に川岸を散歩して風に吹かれるのも、あり。
      何もしなくてもロンドンの空気をめいっぱい吸い込めるスポット。日が沈むまで粘りたいのはテムズ川の夜景がとっても魅力的だから…。ライトアップされたビッグベンはまさにピーターパンの世界。

      Southbank Centre|Belvedere Road, London SE1 8XX
      ホームページ:http://www.southbankcentre.co.uk/

      Text&Photo by Akiko Sakuma

    THEATER

    【特報映像】45sec
    【予告篇映像】60sec